医療知識ゼロだった私が超急性期病院の地域医療連携室で生き抜いた方法

医療

この時代に大変じゃない業界なんてありませんが、病院で仕事をするに当たって、組織に飲み込まれずに働く方法を考えてみました。

前提情報:病院で働くということ

病院で働くと、相手にするのは人であれば全てと言っても良いでしょう。

年代は0歳〜100歳overまでもちろん不問、性別ももちろん不問。

金持ちとか貧乏も関係ないし、人種も宗教も当然関係ない。

元気か瀕死かも関係ないし、生きてても死んでても対応はあります。(死後の検査もあります)

業者さんも患者さんも相手にしますし、素人だろうがスーパースペシャリストだろうと対応します。

急性期なので特になのかな〜と思いますが。

同じ職場で働く同僚であっても、専門が全く違えば、一方から見たら素人を相手にしているのと同じです。

対応のパターンは無数にありそうですね。

圧倒的優位を作り上げる

私は医療知識ゼロで急性期病院へ入職しました。前職はインフラSEでしたが、金融と医療は関わりがありませんでした。なので医療的にはゼロからのスタート。

インフラSEといっても、病院の方々からの見え方は『パソコンに詳しい人』という位置付けです。

私はここに目をつけて、オンリーワンにしてナンバーワンの圧倒的優位を作ろうと考えました。

来た依頼は絶対に断らない

ICTリテラシーに関する記事をご覧いただければ分かっていただけるかと思いますが、イメージとは怖いもので、とんでもない仕事がわんさか来ます。

『パソコン詳しいんですよね?じゃあさ…』という枕詞にくっつけて…

  • 病棟のチラシ、なんかオシャレに作り直してくんない?
  • 病院案内のパンフレット作ってくんない?
  • 医療講演会やるからどうすれば良いか全部考えてくんない?
  • 学会発表のポスター印刷してくんない?
  • 院内講演会のライブ配信やってくんない?
  • 就職説明会のブースに飾るタペストリー作ってくんない?
  • このマイク、音出ないんだけどなんで?
  • プロジェクタってどうやって使うの?
  • 社員証に載せる写真を撮って欲しいんだけど。
  • 看護師の研修修了式に流すまとめ動画作ってくんない?
  • 経路案内の矢印を床に貼りたいから作ってくんない?
  • 近隣の開業医マップ作ってくんない?
  • SNSで情報発信したいから環境整えてくんない?
  • 地域のお祭りで協力要請来てるから対応してくんない?
  • 電話郵便FAXでしかやりとりできないの、何とかしてくんない?

他にもまだまだありますが、全部受けました。そして全て依頼者の想像を超えるレベルで返し、かつ可能な部分は自走できる仕組みを作ります。

自動化、テンプレ化など…

全て”圧倒的優位”を作るための業務改善です。

病院というのは噂話に揺らぎやすいです。だから上記やってくれる人がいるらしい、という噂を聞いては私のところに来ます。

やったことないことだらけなので、裏では必死にググってますよwww

チリが積もれば圧倒的優位になる

一つ一つをちゃんと返していれば、どうも自然と口コミで噂が広がるようです。

そうなると上から目線での依頼は来ません。そもそも所属部署名が地域医療連携室ですから、むしろ半信半疑で相談に来られます。

『範疇外かもしれませんが、やってくれるって聞きまして…』

これが圧倒的優位だと思っています。

『困ったときはあいつに聞いてみるといい。あいつが無理と言うならやむなし。』

という存在になれば、必ず重宝されます。

職種や役職に関係なくフラットにコミュニケーションをとれるようになりますし、普段どれだけ威張り散らしている医師とでもフラットなコミュニケーションができます。

正々堂々とフラットにコミュニケーションをとる

裏では必死こいて調べています。だって知らないんだもん。

でも、依頼元と話すときは正しく堂々と。

偉そうにしたり嘘をついたり役職とか権力によって態度を変えるのは絶対NG。

不安を匂わせたり偉そうな対応をすると依頼元との関係は悪化しますし、これは医療は関係ないですね。

ちゃんと話す。ちゃんと納品する。これがかなり大事です。

自分が作り上げたオンリーワンは、一味違う

軸もしくは軸の一部である事業がオンリーワンならそれは組織としての大問題です。

しかし、私は自分でオンリーワンを作り上げました。それがkintoneだったり広報業務だったりします。

(※ここでは割愛しますが、病院に広報の面倒を見る人は1人もいませんでした。)

kintoneも広報も他にも色々、それまでなかったことをやっていて、ちゃんとした品質で出してくれる。いなくなってもすぐに病院が傾くわけではないが、困るのは困る。

雑用で良い

誰もできなくて困っていたから、見様見真似で自分でやっていた。そのせいで本来やりたい医療業務に時間を避けない。自分がやりたいのはこんなことじゃない。

残業が増え、もしくは患者さんに接する時間が減り、ストレスは増大…

こんな医療機関はたくさんあります。医療機関に限らずとも、でしょうか。

餅は餅屋です。雑用は雑用家に相談してみれば良いのです。

高品質で返せば、びっくりするくらい感謝されます。別にいらないのに、お礼の茶菓子とかくれたりします。

もしこちらが困ったら助けてくれるようになりますし、職種の壁を超えて協力を得られるようになるので、私としてもやりたいことがどんどんできるようになります。

まさにwin-win。

業務改善とは働き方改善でもある

ここまで書いたこと全てを、当初は一人でやっていたんです。

ですが、良いサイクルが生まれたおかげで、同じチームに人を増やしてもらえるに至りました。

さすがに1人では大変でしたが、4人体制になってずいぶん楽になりました。

現場の医療人が悩んでいることを別畑の人間がサポートする業務改善、これを徹底して行うことで、本来やりたい医療業務に集中してもらいたい。

業務改善が働き方改善になって、QOLを上げる。良い環境を生み出す。難しいことはしていませんし、センスが必要なこともありません。

調べてやってみたらなんとかなりますし、なんとかなりました。

切られても生きていける自信がつく

ここに書いたことは、全てあることを心がけてやってきました。

ken10g
ken10g

明日この病院が潰れても or クビになっても大丈夫なように

その場限りでなく、調べて得たことは次も使えるよう、または応用できるような意識付けです。

私は医療に詳しくありません。たま〜に医事課のお手伝いもしていましたが、会計はわかりませんしレセプトもできません。

one of themになっても無個性で地味に終わっていくのは分かっていたので、それまでの経験を最大限に活用する方法を考えて考えて考えて、実践し続けました。

最終的には突然の退職(※別途記事にします)になってしまいましたが、一切困ることなく次の職場で仕事をしています。自信をつけていたからです。

働くのは自分ですし、生きるのも自分です。愚痴っても仕方ありません。

どうすれば日々を最高に楽しく働けるのか、この置かれた状況で花を咲かせるのか。

大変な組織であってもしっかり考えたいですね。

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