kintoneを電子カルテと連携させる必要はあるのか?

kintone

病院に身を置き、ユーザーとしてkintone管理者を経験してきましたし、他病院からのkintone導入相談も何件も受けてきました。

電子カルテと連携できないなら意味ないですよね

なんて言われたりもしました。

確かに、電子カルテの中に

「kintoneにデータをインポートする」

なんてボタンがあったら楽かもしれません。

ですが、本当に電子カルテとkintoneをシームレスに連携させる必要はあるのでしょうか?

kintoneは電子カルテと連携させなくても活躍できる

電子カルテを導入する際に、並行してkintone活用もイメージしておられるなら同居させてしまっても効果は出せます。

最初から電子カルテベンダーとkintone開発者を巻き込んで導入を進めていけるなら、是非とも同居して良いと思いますし、正直、羨ましいです。

ですが、そうでない環境の方が多いです。既に導入されている電子カルテに、後からkintoneを絡めていくのは大変です。

そもそもですが、電子カルテを使わない業務もたくさんありますし、むしろそちらの方が改善対象として課題になっているものは多いです。

活用イメージが曖昧なまま、1台のパソコンから両方アクセスできたら便利だからなんていう考えだけなら、連携させない方が良いです。

電子カルテとkintoneの連携には壁がある

細かいことを考えだすといっぱい出てきますが、大きいところを挙げると…

・電子カルテのWANにkintoneアクセスを許可させる必要がある
・電子カルテとkintoneのAPI連携をベンダーにお願いする必要がある

この壁は、技術的なことだけを考えると難しくはありませんが、運用サポートの観点から考えると、相当な費用がかかります。

その費用をカバーできるだけのパフォーマンスを出せるでしょうか?

明確な活用イメージがないと費用対効果の試算はできませんね。なんとなくラクそうだからではうまくいきません。

医療人のICTリテラシーは?

私は職員1500名規模の急性期病院にいましたが、ICTリテラシーが高い人は5人も見ませんでした。息を潜めている方もいるでしょうが、潜めているということはこういうkintone導入には積極的にはなってくれないでしょう。医療を極めたいと思っている人にそこまで無理は言えません。

ちなみにここでいうICTリテラシーとは、WordやExcelを操作できるとかそんなレベルではなく、ネットワークやセキュリティを少しでも話せる人というレベルです。

これは仕方のないことです。

長年、医療でスペシャリティを磨いてきたのに、院内のICT整備にもチャレンジできるレベルでハイリテラシーだなんて、なかなか都合よくヒマしてません。

そんな環境でkintone(他のグループウェアであっても)の導入を院内でチャレンジしたところで、時間がかかるだけです。

ではどうすれば良いのか?

kintoneでスモールスタート

上でも書いた通り、kintoneはスモールスタートで時間をかけて育てていくことができます。

開発ベンダーに入ってもらえれば強くてニューゲームで開始できますが、相応の費用がかかります。それが可能ならベンダーを探しましょう。

散々経験してきましたが、病院は基本的にケチです。

医療機器にはお金をかけますが、システムに対する投資を積極的にしている病院は極々少数です。

であれば、分かる人ができる範囲で始めるのがオススメです。

基幹業務よりはまずは”お荷物業務”をkintoneで処理する

・訪問記録
・お中元/お歳暮管理
・近隣医療介護施設リスト
・研修や会合の記録
・社用車管理
・問い合わせ管理
・人事情報管理
・有給休暇管理
・紹介統計
・パンフレットなど資料管理
・部署日報
・簡単なシフト管理
・部署別のタスク管理

実際に私が実装した機能の一例です。他にもまだまだ出てきますが、電子カルテと連携しなくても相当な業務改善が実現できています。

アナログで全く整頓できていない業務、たくさんあると思いますよ。

ICTリテラシーが低くてもできなくはない

kintoneの特徴として、WordやExcelならできるけど…というレベルの方でもkintoneを始めていくことは充分に可能です。

医療系の事例は増えてきましたし、技術的な情報もブログやYouTubeにたくさん上がってきています。kintone Caféというネタ集めに最適なイベントもあります。

kintone Café
kintoneを学ぶための勉強会コミュニティkintone Caféの公式ページです。

やってみたら意外とどうにかなる、やってみたら意外に面白い。それがkintoneです。

困ってからベンダーに相談でも良いでしょう。

基幹業務ではなく、隠れたお荷物業務をスリム化するところから始めてみてはいかがでしょうか。

アプリ作成の簡単さに気づけば、すぐに楽しくなってきます。

kintoneを徐々に拡大させていく

業務フローをちゃんと整理整頓して、一つずつ丁寧に紐解いていけば、改善は必ずできます。

お荷物業務をkintoneで片付けていくうちに、要望もたくさん届くようになっているでしょうし、対応できるだけのkintone知識もついていることかと思います。

そこでもう一度考えましょう。

電子カルテをkintoneを連携する必要があるのか?

やはり連携する必要があるなら、その判断が正解です。

どうしても最初から連携させたいなら、ベンダーを雇うべき

検討してこうなったらその時は電子カルテベンダーに相談し、kintone導入ベンダーを雇いましょう。院内SEがkintone側を全て担当すると、本稼働後にkintoneがいきなり属人化します。

株式会社MOVEDには、電子カルテとkintoneの連携で電子カルテベンダーや開発ベンダーと連携した実績もございます。

まずはご相談ください。初回相談は無料にて承っております。

ページが見つかりませんでした – 株式会社MOVED

全ては医療人が医療職を全うできる環境づくりのために

医療人は目標を持っている、志のある人がとても多いです。

そんな方々の意志をさらに加速させるため、目標を実現させるため、環境づくりが必要です。そこにkintoneはうまくハマることでしょう。

スタッフが働きやすい環境を作ると良いサイクルが生まれますし、良い意味で患者さんにも伝染します。

選ばれる病院になるため、まずはkintoneのスモールスタートにチャレンジしてみませんか。

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