病院のICTリテラシーって実際どんな感じなん?

kintone

病院にいたら当然現場の雰囲気も分かります。

いろんな業者さんから大小なんらかのご提案をいただいた時でも、

・どこに適用すれば効果が高そう
・誰と相性が良さそう
・ここには合わなさそう
・内部説明はこうしたら稟議通りやすそう

すぐに判断できます。しかし…

外から中って見えない(当然ですが)

医療関係の業者さんならいろんな病院を見ておられるので、営業のイメージはつくでしょう。

電子カルテベンダーや、病院のWEBサイトを専門に扱っている場合は大丈夫でしょうが、例えば私がよく話題にするkintoneの場合は病院のことを知らない方が提案することもよくあるかと思います。

病院内部のICTリテラシーってどんな感じなのでしょうか?

ちょっと思い出してみます。

病院内にICTリテラシーなんて(ほぼ)ない

そもそもICTリテラシーとは?

通信・ネットワーク・セキュリティなど、ITにひも付く要素を理解する能力、操作する能力のようです。

出典
https://ufb.benesse.co.jp/ebooks/it-literacy.html#IT

この観点でいくと、私が所属した病院にICTリテラシーがある人はごく少数ですね。

いくつかの病院を見てきた中で、実際に接したことのある方を列挙してみます。
※もちろん全員がこうだというわけではありません。ハイリテラシーの方を見たこともあります。

よくある環境

 ・パソコンは基本は共用。ただし誰もが順番待ちしない程度には自由に使える
 ・Word、Excelはどのパソコンにも入っている

様子(こんな人が何人もいます)

・情報送信手段の1st-choiceはFAX、2nd-choiceは郵送。
・FAX連呼するわりにはいつまで経ってもFAXの送り方が分からない。
・FAXの誤送信多数だが気にしない。
・FAX送信前に「今から送りますね」と電話する。
・FAX送信後に「今送りましたんで確認お願いします」と電話する。
・Emailは使ったことない。
・Emailを使ってことはあってもCCやBCCは知らない。
・Excelを見ながら電卓を叩く。(SUM関数を信用していない)
・Excelで無駄に関数を使いまくる。
・共有フォルダのExcelを誰が開いているのか、見つかるまで歩いて探し回る。
・スケジュール管理はWord。
・PPTは文字だけ。写真や図は皆無。
・著作権は基本的に無視。賠償沙汰になることもあるが、無視。
・手帳と残務関連の書類を束で持ち歩くのが常。
・OSという単語は通じない。人によってはWindowsって言っても通じない。
・操作手順は言ったことをトレースするのみ。他の動きは一切できない。
・プリンタとの接続が切れたらパニックになる。
・共有フォルダの運用ルールはない。全て自由。
・共有フォルダのデータを誤って消すことも多数。
・何なら共有フォルダ内のフォルダごと消す事案も稀にある。
・エラーメッセージは決して読まないし、メモもしない。
・依頼の仕方が「なんか調子悪いから見てください」。(現象は!?)
・ログを見るという考えはない。
・バックアップという考え方もない。
・データは全てをUSBメモリに入れて常に持ち歩いている(バックアップなし)。
・システムログは疑い、手書きメモを信じる。
・言った言わないの争いは日常茶飯事。
・ログインパスワードを書いた付箋をモニターに堂々と貼っている。
・システムについて、とにかく自分で考えない。
・Googleの存在を知らないのか、調べることを一切しない。
・無料ツールを必死に探す。1円でもかかると検討対象外になる。
・横耳で数秒触れただけのレベルでもハイスキル持ち扱いされて担当者にされる。
・システム不調は全てを故障扱いする。
・便利なシステムを使うよりも不便と分かっていてもアナログを好む。
・パソコン詳しいならこれも、とか言って全然関係ないことを振ってくる。
・プロジェクタとか音響システムもカメラも『パソコン』扱い。
・困ったらすぐに業者を呼ぼうとする(新型コロナとか関係なし)。
・依頼したら数分で仕上がると思っている。
・提議書、構成図、設計書よりもまずは完璧な完成品を先に求めてくる。
・受注しない限り全て無料だと思っている。
・サブスクだろうが関係なく相見積もり&無謀な値引きを要求する。
・『私はITは分からないから』による丸投げは常時。ただしLINEは使いこなす。
・データを印刷してファイリングしている。
・ファイリングして紛失することも普通にある。
・『手書きには味がある』などという謎のアピール。
・申し送りは付箋に書いて机に貼らせる。
・ハンコをもらいに幹部探しの旅へ。
・とにかく印刷する。なんでもかんでも印刷する。
・何百枚でも何千枚でも自分で印刷する。外注はしない。
・用紙コストは完全無視。紙は無限に生まれてくるものと思っている。
・kintoneはセキュリティに不安だからと言って紙の束を持ち歩く。
・Googleのセキュリティを不安視する理由が「有名なシステムは逆に危険」。
・無料のセキュリティソフトを入れて満足している。
・「メール送ったんで見といてください」と直接伝えにいく。
・患者も職員も無線LANの同じアクセスポイントを使っている。
・キーボードよりもホワイトボード手書きの方が早くて正確と思っている。
・打ち合わせメモの漏れは直接聞きにいく。録音や録画という考えはない。

どれもあるあるかもしれませんが、全て実際に私が接したことのある人です。もっとありますので、思い出したら順次追加していきます。

こういう人を相手に例えばkintone提案をするわけです。できます?

病院の攻め方

kintoneに限らず、病院に対してICTの導入提案をする場合、正しい説明をするよりも何よりも、病院で話が通じる人を引っ張り出すことに全てを注ぐことが大事です。

・とにかく話が通じる人
・それなりの決裁権を持ってる人

この2人を引っ張り出せたら、勝率は跳ね上がります。少なくとも土俵には立てます。

逆に、ターゲットを絞らず誰かに聞いて欲しいと話をしに行くのは時間の無駄です。病院は、営業に対して最適な対応者を差し出してくれることはあまりありません。

こんなこと書くと、そりゃそうやろって言われそうですが。

病院は噂に弱い

医療業界は、病院間のやりとりが非常に多いです。

別法人、同業他社であっても支え合わないと、単体ではほぼ生きていけないのが医療業界です。ですので情報共有は本当に盛んです。(この共有もFAXと電話だけだったりしますが。)

『最近こんなシステム入れてめっちゃ効果出たんですわ』

1時間の全力プレゼンよりも、病院間の雑談でこのワンフレーズを言ってもらう方が数倍の威力があります。

病院は隣の芝生が青ければほぼ確実に飛びついてきます。成長している病院ほど他院の情報に敏感ですし、隣で結果を出しているならうちも検討しよう。となりやすいのです。

つまり、直球攻めよりは外堀を埋めていく攻め方が有効だったりします。

そもそも病院はベンダーの話を聞かない

これは病院に限った話ではないかもしれませんが、ベンダーの話は病院にはなかなか響かないものです。

なぜ響かないのでしょうか?

現場を理解していないから、というのも少しはあるかもしれませんが、全部の現場を理解してプレゼンする営業さんなんてなかなかいませんよね。

ここにもICTリテラシーが関わってきます。

病院側にリテラシーがないから、機能的な話を聞いても理解できないんです。そして効果を聞いてもイメージができずに『でもねえ、うちの病院は特殊だから』などという謎のドヤ顔。

となると目が行くのは表面的な機能と金額だけになってきます。そんなに安いならちょっと試してみようかってなるんです。

単純ですよ。

ベンダーの狙いは?意志はどこにある?

私も話を聞く側として散々経験してきました。大きい病院だけに露骨でした。

営業さんが頑張って話をされており、こちらが話しづらくなるくらい態度がすごく下から。

これは、契約は餌にして、口座を作って関係を深くしたい。仲良くしたい。大きい病院への導入実績を手に入れたい。

こんな裏が見え見えなんです。病院を良くしたいとか、自慢のうちのシステムを使ってみて欲しいという意志が感じられないのです。

こんな営業でやっていけるんかと思って聞いてますが、いるんですよ。こういう営業の話に乗る人が。

あり得ないくらいめちゃくちゃに値引きしてくるから病院側も調子に乗るんですよ。

ある程度以上の規模の病院にはこういう営業スタイルが横行しています。だからこういう営業がなくならないんですね。

機能よりも便利さよりも、金額。どれだけ引いてくれるか。

値引きすれば何でも入れるわけでは当然ありません。

病院にも興味を持つ人はいる

これは、私や瀧村さんが良い例です。

kintone × 医療介護 現場から業務改善の可能性を |キンボウズ
kintoneは医療や介護の現場で利用可能か?利用できるならどういった利用方法があるのか?kintoneを医療介護現場で導入し、業務改善にちょっぴり成功したキンボウズが導入するにあたって気をつけたことやこんな使い方ありますよって内容を日々アップしています。

自分でkintoneを見つけて営業さんと話をし、導入を決断。

院内で所属長に、事務部長に、看護部長に、院長に話を通しました。

kintoneの病病連携については近隣の病院へ私が全て出向いて、決裁者まで直接対面で説明して回りました。

kintoneだったのは色々理由はあれでも偶然の要素もゼロではありません。サイボウズの営業さんが適切な距離感でちゃんと対応してくれたことも大きいかもしれないです。

我々を使っていただければ良い

ベンダーの話は響かないにしても、他院の現場で実際にユーザとして結果を出した人の話はめちゃくちゃ響きます。(って実際の提案現場で言われました。)

ということは、私や瀧村さんを呼び出して使ってくれれば良いのです。実際にサイボウズさんと一緒に提案に行ったりもします。

そもそも、サイボウズ大阪支社に、病院のことや医療情報を熟知した黒河さん(https://twitter.com/kuromsyk)というスーパー営業もおられます。

急性期と回復期リハで導入した二人が病院でのあらゆる活用法をお伝えします。雑談レベルでも構いませんので気軽にご連絡ください。

ご相談はこちらから → https://twitter.com/Ken10G

医療現場を便利にしたい

ICTリテラシーをテーマに書いたため、病院をこき下ろした内容になってしまいましたが、そもそも病院にいるのは医療人です。

医療はスペシャリスト集団です。多職種連携はお手の物ですし、何より自身の目標、なりたい姿を明確に持つ人が非常に多いです。

医療に対する志は半端ではありません。でないと新型コロナウイルスがどうこう言われる中でも真摯に医療に向き合うなんてできません。

しかし、志の高さとは裏腹に、実際は医療と直接関係のない雑務が本当に多い。もっとどうにか便利になると思うんだけど、取り組む時間なんてない、、、

で、やりたいことができずに苦しんで辞めていくわけです。だから医療業界は入れ替わりが激しいと言われます。

私は、そんな方々がもっと便利に、やりたいことに全力を尽くせる環境を作りたい。例えばkintoneを導入して雑務が減れば、医療人として輝きを増す環境が作れます。

そうなると良いサイクルは止まりません。いかがでしょうか?

選ばれる環境づくり、kintoneで実際に出した成果もありますが、それはまたの機会にしたいと思います。

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